私がZoteroに入れたアドオンについて解説する。具体的には、Zutilo, ZotFile, BetterBibTeX, ZoteroQuickLookの4つである。アドオンで機能を追加できる点は、Zoteroの良いところである。
1. この記事の前提条件
1-1. 動作確認環境
私の使用環境や基本的な設定は、こちらの記事参照。
1-2. ファイルの位置
zotero.sqliteなど(文献情報)と、文献pdfファイルのあるフォルダーの場所。
- /Volumes/MYVOLUME/foobar/paperz
- シンボリックリンク: /Volumes/paperz/Zotero
( -> /Volumes/MYVOLUME/foobar/paperz )
複数PC間でパスを共通化するために、共通のパスのシンボリックリンクを作っている。これは、ZotFileを使いつつsyncも行うためには、パスが共通化されているほうが便利だからである。詳細は文献管理ソフトZotero ~SyncとZotFile編~を参照。
2. Zutilo(独自ショートカット追加)
キーボードショートカットを追加したり、右クリックメニューを増やしたりできる。ただし私の環境では、一部のショートカットは設定できなかったり、機能しなかったりした。
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インストール:Zutiloのwebサイト参照
-
設定
Tools > Zutilo Preferences -
設定例
Show attachments: Cmd-Shift-Option-A
(ファイルのパスが見れる)
3. BetterBibTeX(bibtex出力機能の強化)
3-1. 解説の前提
これはBibTeX出力する方法の解説である。BibLaTeXなどの場合は、適宜読み替える。
3-2. 特徴
- 何をbibファイルに含めるか、含めないか、設定可能
- Citation Key生成規則を自分でカスタマイズできる
- あるCollectionに登録されている文献でbibファイルを作るとする。そのCollectionの中身の変更を、自動でbibファイルに反映することができる。
- bibファイル自動更新機能を使う時でも、雑誌名の省略形が利用可能(某文献管理ソフトでは無理だったので、これは便利)
3-3. インストール
- BetterBibTeXのサイトの説明に従ってインストール。インストール時は、とりあえずウィザードに従う(あとで変更できる)
3-4. 使い方
- 設定を変更(後述)、必要ならcitation key更新
- 参考文献をあるCollectionにドラッグして集める
- そのCollection上で右クリック -> Export collection
- bibに出力する無いようを選ぶ
- Format:
BetterBibTeX
- Use Journal Abbreviation (雑誌名を省略形にするか)
- Keep Updated (Collection更新時にbibファイルも更新)
- Format:
- OK を押す
- bibファイル保存先を選ぶ
3-5. 設定例(抜粋。残りは画像参照)
Zotero > Preferences > BetterBibTeXタブ
-
Citation keysタブ
- Citation keys
- Citation key format:
[auth:lower][veryshorttitle][year]
この例だと、LaTeXのcitation keyは、著者名(小文字)+タイトルの1単語目+年号
書式はJabRefと共通 (BetterBibTeXのサイトも参考に)- Force citation key to plain text
- Citation key format:
- Quick copy/drag-and-drop citations
- QuickCopy format:
Cite Keys
(これはZoteroの設定で Exportタブ > QuickCopy > Default Format:Better BibTeX Cite Keys Quick Copy
選択時に有効)
- QuickCopy format:
- Citation keys
-
Exportタブ
- BibTeX
- Export unicode as plain-text latex commands (recommended)
- Fields
Fields to omit from export (comma-separated):note, file, extra, abstract, annotation
(出力しないものを指定。urlなどに%が混ざっていると、latexコンパイルの時にコメント扱いになり、エラーになるので) - Miscellaneous
- Automatically abbreviate journal title if none is set explicitly
- BibTeX
-
Automatic Exportタブ
- Automatic export: On Change
(Collectionの中身が変更されると、bibファイルも更新される)
(ここでOn Changeを選択しても、bibを実際に出力するタイミングで、自動更新の有無を選択できる)
- Automatic export: On Change
(Collectionの中身が変更されると、bibファイルも更新される)
3-6. Tips
-
Tip 1: Citation key の変更
BetterBibTeXはすべての文献にcitation keyを割り当てる。この時、漢字の著者名は中国語読みの英語表記になる。keyを変えたければ、文献ごとに文献情報のExtra欄に、例えば次の例のような文言を追加する。
Citation Key: akechi2017kogorou
ちなみに、Extra欄の内容を消さなくても大丈夫。末尾で改行後、Citation Key: ...を追加すればよい。 -
Tip 2: タイトルの下付き・上付き文字などをbibファイルに反映
例えば下付き文字の場合は、右ペインの文献情報のタイトルを次のように書き換えれば良い。
NH<sub>3</sub> -> NH3
つまり、htmlタグの形で書けば良い。上付きなら、<sup>~</sup>、斜体は<i>~</i>。
4. ZotFile(pdfファイルの整理方法をカスタマイズ)
ZoteroのCollectionと同じ名前、構成のフォルダーを作成し、pdfファイルをそのフォルダ配下に移動・コピーするために私は使用している。これでZoteroに頼らなくても、File ExplorerやFinderからでも文献を見つけやすくなる。
4-1. インストール
こちらのサイト参照
4-2. 設定例(抜粋。詳細は画像参照)
Tools > ZotFile Preferences...
-
General Settingsタブ
- Location of Files
- Custom Location: /Volumes/paperz/Zotero
シンボリックリンクを入力することが可能。複数PCでpdfの場所を共通にする時シンボリックリンクは便利。 - use subfolder defined by:
/_undefined/%c/%{%F_}{%t}{(%y)}
_undefined/Collection名/著者_タイトル_(年)
というフォルダに、文献pdfが移動するようになる。
- Custom Location: /Volumes/paperz/Zotero
- Location of Files
-
Renaming Rulesタブ
- Use Zotero to Renameのチェック外す(renmaeにZotFileを使いたいから)
- Format for all Item Types except Patents
{%F_}{%t_}{%s|%j}{%v}{(%y)}{%f}
(ファイル名を好きなように設定できる。詳細はアドオンのサイト)
(この場合は、著者_タイトル_ジャーナル名ボリューム(年)ページ.pdf) - 他にも、著者人数や、タイトル字数など、色々設定できる。
5. ZoteroQuickLook(pdfをざっと見る)
5-1. 特徴
- pdfをパッと表示して、次々ざっと見ていって目的のpdfを探すのに便利です。
5-2. インストール
- https://github.com/mronkko/ZoteroQuickLook のReleasesページからファイルDL
- Zoteroにて Tools > Add-ons
- Add-onsマネージャーに、DLしたファイルをドラッグ
5-3. 使い方
Zoteroのアイテムを選択 → スペースキーで表示 → スペースキーで表示閉じる → 上下キーで次のアイテムを選択 → 繰り返し
注意:Zoteroのアイテム内にpdf以外のもの(snapshotのhtmlとか)が含まれる場合は、「+」キーでアイテムを展開して、pdfファイルを選択してから、スペースキーを押す。pdf以外のものが含まれないことが最初から分かっている場合は、アイテムを展開する必要はない。